子どもも大人も挑戦したらええ!

第3話 地獄は本当にええところや!学びの宝庫でございます。

2018/03/26
 
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「気持ちと言葉でビジネスが変わる」という発想を教える人。教諭からビジネスの世界に入り、ツールや方法をメインにするな!と強く感じる。気持ちが変われば言葉が変わるからだ。【愛するもの】WPで想いを発信しているグループのメンバー・自作のベーコン・懇親会




教諭を辞めたら、塾の講師でもして食い繋ごうと思ったけれど、

雇われもしない。じゃあ、何をすればいいんだ?

40歳を超えたおっさんが、バイトの求人情報を検索する日々。

自分で決めた道であるにも関わらず、

ふと気がつけば、教諭の時の待遇と比較している自分がいました。

何より全く知らない環境に飛び込んでいくことに抵抗があったのです。

 

大変な状況なんだからプライドなんか捨ててしまえ!

何度自分に言い聞かせても、簡単には捨てられません。

求人情報を見ながら、こんな場面を想像するのです。

「今日からお世話になる渋谷浩一郎と申します。…」

そして、

「渋谷さん、何しているの?さっさと動いて!」

なんて言われる風景を想像するとやっぱり退職なんて無謀だったのか…

何度も悔やんだものです。

 

でも、悔やんでも何も変わりません。

こうなったら何でもいいや!

カラオケの店員でも清掃のバイトでもしてやろうじゃねーの。

 

ということで、ホテルの清掃員になりました。

ビビリの僕はアルバイトの初日、さらにビビらされました。

予定より早く現場に到着したのですが、

強烈に空気が悪い。

チーフだろうと思われるおばちゃんが怒りまくり。

あんたらにお金をあげているんと違うで。

何をチンタラ働いているんや!

昨日もお客さんからクレームがあったと、

オーナーさんからお叱りを受けたんや。

シャンプーのボトルの底が汚れてたらしいやん。

(ブツブツ…)

 

おぉーーー何という恐ろしい業界や。

それにしても、この説教、いやもはや愚痴やなぁ…。

その後スタッフの皆さんはそれぞれのフロアに向われ、

いよいよ、気の弱い僕がチビる瞬間がやってきたわけです。

 

渋谷さん、ちょっとこっちにきてくれる?

ところが、意外に優しい声。

恐ろしいおばちゃん

私、ここのチーフをしている山本と言います。

よろしくね。朝から雰囲気が悪くてごめんなさいね。

時々、こうして締めないとみんながダレるからね。

気の弱い渋谷

これからお世話になります渋谷と申します。

どうぞよろしくお願いします。

恐ろしいおばちゃん

とにかく今日は3階に上がって仕事を覚えてくれる?

3階の木村さんには、渋谷さんのこと伝えているから。

と、いうことで急いで3階に登ると、

早速、指令が出されたわけです。

 

今からシーツをめくる時の注意を教えるから覚えてね。

木村さんのご指導によると、

すべてのシーツをめくりながら、

そこにお客さまの鍵やカードなどが挟まっていないか確認すること。

枕と枕カバーの間にも注意して見ること。

お客様の大事なものを紛失してしまってはいけないから。

そんな話でした。

なるほど…さすがホテル。細部まで気をつけて仕事をするんだなぁ。

と、いうことで僕はそれぞれの部屋を周り、

丁寧にシーツ、枕カバーの間などを見ながらひたすら外して行く。

部屋には一人、誰かと無駄話をすることもない。

黙々と作業をしていたのですが…。

木村さんがやってきて、

何分かかっとんのや!1部屋5分で十分や!というのです。

 

えぇーーー

お客さまのこと考えて丁寧にすべてチェックしながらめくれって言うたやんか!

と、思いながらも気が弱いですから

「はい。わかりました」とだけ返事をしたのです。

 

 

できるまで帰ったらアカん!次の予定があるなんてあんたの都合や!

次第に仕事を覚えて行くと、

朝出勤すると同時に「今日は9部屋全部済ませて」と言われるのです。

今日の僕の勤務時間から考えても

1室あたり20分ということになる。

 

えげつない…

シーツを外して、新しいシーツを入れて、ゴミの処理をして、

ユニットバスの清掃に、湯のみの洗浄…

それにシャンプーのボトルの底だって吹かないといけない。

最後に掃除機をかけて終了!!

 

ベッドメイキングにどうしても5分はかかる。

それでも、何とかノルマをこなそうと黙々と作業をしました。

でも、どうしても25分はかかってしまいました。

最初は5分のズレであっても、

5部屋も掃除をしていけば、約30分ものズレになっていたのです。

もう、どれだけ悪あがきをしても、

時間内に決められた部屋数をこなすことはできません。

 

 

そこで、木村さんに時間内にすべて終わらすことは難しいことを言うと…

威張った木村さん

うちはボランティアの会社と違うで!

あのノルマが達成できなかったら赤字やで。

できるまで帰ったらアカんで。

気の弱い渋谷

えっ?でも次の予定がありますから。

威張った木村さん

それは、あんたの都合や。

さっさとしたら、十分に時間内にできるわ。

 




 

あっ!そうですか。おばはんそこまで言いますか!

そこまで言うのなら、時間優先で動こうじゃないの。

仕事の質なんてどーでもいいでしょ。

だって、全部の仕事をやり終えるのに30分オーバーしても、

それはタダ働き。それこそ、ボランティアだもんね。

 

そうなると、手を抜くことしか考えられません。

トイレもバスも数秒程度で洗い、

ベッドメイクも見えるところは綺麗にするけど、

見えないところは、大雑把。

掃除機?

そんなの言われた通りにしたら5分はかかります。

見えるところだけやって、2分で終了〜。

 

全く楽しくありません。

ずっと腹が立った状態で仕事をしているのですから。

次から次へと人が入れ替わるのもよく分かります。

まさに、地獄であるのですが…。

 

 

これって、学校でやってきたことと一緒やんか!

今週末までに〜をやってきなさい。

できなかったら帰ってたらアカん。居残りじゃ!

こうやって言われてきた子どもは、

どんな気持ちで課題をやるのか、痛いほど分かりました。

 

何も楽しくないのです。

ハイハイ、やりゃーいいんでしょ。

そんな気持ちにしかなれません。

 

ですから、学力なんか伸びません。

そうなると余計に学校は焦ります。

そして、さらに追い打ちをかけるわけです。

学力向上!基礎基本の徹底!

家庭学習は学年×15分!

できないと大学にいけないぞ!

 

実は、先生方も追い打ちをかけられています。

3年1組はやっぱり平均点が低いじゃないか。

学級が落ち着いていれば、そんなことはない!

なんて話になるのですから。

 

 

この感覚が得られたことに、大喜びしています。

清掃をしている時は、まさに地獄でした。

同僚のスタッフ同士が会話をする風景も見られません。

一見、みんなが黙々と働いて生産性が高いように見えますが、

スタッフの入れ替わりは、相当激しく、

ベテランと呼ばれる人はほとんどいません。

 

アルバイトは嫌なら去っていくことができますが、

学校はそうもいきません。

学校が楽しい!と言う子どももいましたが、

じっとその雰囲気に耐えてきた子どももいるはずです。

 

勉強なんて何の意味があってやるのだろう?

とりあえず、やりゃーいいんでしょ。

って。

この問題を少しでもいい方向に向かわすには何が大切か?

 

実は、

清掃業のみんなが働き続けて、生産性をもっと高めるには何が必要なのか?

の答えと同じではないか?

 

僕は、一人でシーツをたたみながら考えることができたのです。

そこには、とんでもないアイディアが山ほどあったのです。

 




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